Blog

出版業界騒然!無人出版システムの衝撃

By Hiroyuki OYAMA Thu Apr 1 01:05:55 2004

昨日とあるムックの企画の打ち合わせで遊びに行った出版社で、ものすごいモノを見せられました。インターネット上のドキュメントを元にした完全自動化雑誌編集・出版システムが開発されているそうです。

全自動雑誌編集出版システム"B.B.H."

BBHロゴ。scan失敗...貰ってきたパンフレットは気合い入り過ぎでなんだかよく判らないのですが、要は従来の雑誌のように編集部が集め編集し組んで出版するというものではなく、購読者が興味をもった分野の記事を自動的に収集・編集・出版するというパーソナライズされた雑誌(?)のようです。
最新記事しかもそれがすべて自分好みな雑誌が毎月手に入るってのは なかなか画期的。ちなみにこれで作られた雑誌の単価は\1,600がコスト的に限界だそうですが、これはいずれ下がったりするんでしょうかね。
これだけ見ると「はぁ...」って感じなのですが、その実装は、

1. 記事の収集

購読者が登録したキーワードを元に、インターネット上のドキュメントを検索し掲載記事の候補を抽出。

2. 記事の選定

候補となった記事の注目度を判定し、ポイントの高いものを選定。

3. レイアウト及び製本

選定された記事を所定のレイアウトに整形し、オンデマンド製本システムにて製本。

これらの収集・選定・製本および配送までのすべての行程が完全に自動化されてるそうです。元々は編集にかかる人件費の削減と、読者の趣向の多様化への対応を目的とした研究だったそうですが、でき上がってみるとなんと言うか自己破壊的なシステムになってますよねこれ。本気で稼働させるんですか?>Mや澤サン

ちなみに現在のところ自社で全てのシステムをまかなうわけではなくて、数社の企業と提携(連動?)して構成されるシステムだそうです。パンフレットは2004年1月時点のものなので今は違っているかもしれませんが、「記事の収集」のシステムはBulkfeeds、「記事の選定」のシステムはblogmap、「レイアウト及び製本」のシステムははてなの3社とのコラボレーションにより構成されるシステムだそうです。(前の2つは"社"じゃないだろ...)
パンフレットには実装の詳細は書いてないのですが、これたぶん読者が登録したキーワードをBulkfeedsで検索しておいて(つまり記事の元ネタは誰かのWeblog!)、その記事へのリンク数やTrackbackの数をBlogmapで調べてランキングするんですよね。
「はてな」とのI/Fが一番謎なのですが、まさか購読申し込むと裏ではてなダイアリーのアカウントが作られて、選定された記事が「はてなダイアリー」に投入されて、最後に「はてなダイアリーブック」で製本・発送っていうオチじゃないよな。。。
なんつーかXMLバンザイってカンジィ?

当然ですが人間の編集者を介さずにエンドユーザに記事が供給されるので、倫理的にアレな記事や公序良俗に反する内容の雑誌が流通する危険もあるそうで、業界団体からは導入に反対する声が上がっているそうです。規約で責任の所在を明確(注文主にある)にしちゃえば良いような気がするんだけど、どーなんすかね>偉い人
あと元記事書いた人への還元については述べられてないのですが、アフィリエイトにかわる新しい小遣い稼ぎネタになるかしらん? その辺も書き手にとって魅力的な仕組みにできてるんなら、案外大きなビジネスに成長できるのかもしれません。

これとは別に雑誌出版社への個人的希望でアレですが、出版社の枠を超えられなくても良いので、好きな過去記事をチョイスしてそれを製本して売るって仕組みを心の奥底からキボンヌです。「パフォーマンスチューニングパック」とか「文字化け対策パック」みたいに、ある程度バルクでも良いので。

Comments

Post a comment

Name:


URL:


Comments:


WebエンジニアのためのApacheモジュールプログラミングガイド

ApacheをHackする!
モジュールプログラミング強烈初体験!!
定価: 2,919円(税込)
ISBN: 4-7741-1799-4

hiroyuki_oyama IM status

Apache Users

Apache Modules

CPAN


Home > Blog > 出版業界騒然!無人出版システムの衝撃