徳保隆夫さんの"受益者負担の原則"を一昨日知って、興味深く読ませて頂いた。今現在興味を寄せているネタと近いところにある話しに見えるので、自分の脳ミソ整理の意味をかねて書いてみよう。酒気帯び・眠気帯び記述につき駄文注意!
"受益者負担の原則"のおはなし
徳保隆夫さんの書かれた受益者負担の原則を元に、興味深いやりとりが行われていることをつい最近知りました。- 受益者負担の話がなんか変だと思ったのは - otsuneさん
- 趣味とサービスの境界 - ishinaoさん
では僕の経費はいかほどか
たぶん僕はここで言う所の「情報公開意欲」がある人に該当するのだと思っている。Webにかける金銭的コストは小中学生の小遣い以下の範囲だけど、時間的コストは"逸汎的"な状態だと認識しています。でも「コンテンツが大人気になって、アクセスが集中したらアカウントが停止〜」な程、トラフィックはありません。つまり中途半端な立場な訳だ(笑)いやらしい話し、具体的な金額を上げると
- ドメイン名登録申請費用 - 14,700円 + 20,000円(初回のみ)
- ドメイン名維持費 - 7,350円/年 x 2
- use Object;
Perlでオブジェクト指向プログラミングして遊びましょう。思いっきり休止中。 - ymca
Yahoo!メッセンジャーのプロトコルを解析して、PerlやRubyで実装しちまえ!。絶賛放置中。 - module.jp
Apacheモジュールプログラミングの本のPRとサポート用に作ったはずなんだけど、ほぼ雑文置き場の刑。
実はそれぞれISP勤務時代の同僚宅や、ホスティング業者勤務時代の同僚な友人宅のサーバをありがたく間借りしている状態なので、"Webサーバホスティング費用"に関してはお金は動いていないです。いちおう大家の皆様には「今度飯おごる」と口約束だけしたり、積み重ねると60cm分の書籍を出版社から何故かもらった時などに一部横流ししたりが極タマに発生します。
この点ものすごく恵まれているよな... 幸い一番トラフィックが多いこのmodule.jpでも、一ヶ月あたり
- 転送量は2Gbyte+α程度
- 画像含めたアクセス数は10万弱
- HTMLなどへのアクセスはもっと少なくて4〜5万件程度
とまぁ有難いことにWebサイトを物理的に維持する為の費用は、小中学生のお小遣い程度すらかかっていない現状です。ちなみに2004年の春頃からアサマシイ人達からのお勧めでGoogle AdSenseとかを貼付けてます。大体3〜5ヶ月でやっと小切手がとどくかも程度な状態です。あとAmazonは真面目にやっていないので、月あたりでみると0に近い状態。
と知恵が付いたおかげでここ1年ぐらいに関しては、AdSenseでドメイン名の維持費用はなんとか自給自足できるようです。あ、大家さんにちゃんと還元しないと自給自足を語る資格無しですね、はい(汗)
ちなみにもしこれらを追い出されたら、自宅にちゃんとしたネットワークを引き込んで回すか、ホスティング業者勤務時代の上司っつーか同僚がやってる専用サーバ月6,800円なサービスを使うか、はたまたKDDIあたりのデータセンター1/4ラック月45,000円とかを友人とshareして借りたりすることになると思います。
とまぁ固定費が安いので幸せな私ですが、しかしながら「書くコスト」が馬鹿になりませんで、記事というかエントリを一つ書くのに2〜3時間要したりしています。サラリーマン時代からそーいう時間のかけ方していましたが、最近は時間配分の自由度が高いのでより悪化してます。この時間的コストをなんとか補いたい。だって時給換算したら、余裕で
マンションの月々のローンが払えちゃいそうな勢いなもんで。
で?
でまぁ、トラフィックも並。*見かけ上*の収支は一応やや黒字なわけで、「趣味の範囲」という解釈であれば余裕でOKな状態ですし、赤字だとしても僕の欲求は満たしているのでこれまたOK。しかしながら一方でサラリーマン時代に1年近くかけて書いた本からは会社員のボーナス程度の印税しか入らなかったよね、プログラミング系の雑誌原稿も喰えるだけのボリュームは能力・体力的に書けないよね俺、という悩ましい現実が有ったりもします。要は商売が前提の書き手としては上手くいってない。そら本業じゃ無いからいいんですけど。例えば僕はApache 2.0のモジュール開発本を書きたいと思っているのですが、実際問題取り上げてくれる出版社はどんだけいるのか、いたとしても僕自身のコストが印税で回収できないので結局無理、という流れになります。まぁ書く為にサラリーマンにもどったりしたら、それはそれで笑えるので面白そうですけど。
ここ数年知人友人とチャットするたびに思い知るのだけど、どうやら僕は技術書の出版みたいな分野が好きで、それを自分の生業としたいと思っているらしい。しかしながら既存の雑誌や書籍を扱う出版業などの指向というかシステムは、僕の期待する物とはちょっと違うらしい。要はコアすぎるネタは出版社の構造的にNGって所に困っているだけなんですけどね。
私が望むのは「絶対一般ウケしないけど、極一部の欲しい人は欲しい」情報がちゃんと流通する世界 です。そこにもし金銭が絡んでてもいい、けど妥当な値段であって欲しい。現状の出版業界ではコレはちょっと無理がありますし(DDJとかTranTechとか大好きだったのにー)、Webの世界でも発信元に「情報を纏めて公開するモチベーション」がムラムラと溢れ出しててもらえてないと無理だとおもう。
きっと文芸作品などの分野では事情が異なると思います。僕のイメージしている この「埋もれている情報を掘り出して、整理し、流通させる」という流れは、実用書や技術書といった分野を想定しています。
方法はまだ見えていませんが、私はその流通の仕組みを(どうにかして)組み立てて生業にしたいらしい。Tim O'Reillyが似たようなことを話ししてたと思いましたが、日本だとどんなもんなのかしら。困りました。
んでもってまぁ、そういう背景からとりあえず「趣味」の延長の実験として
週刊Apache 2.0モジュールプログラミングみたいなマイナーネタを小分けにしてPDFで売れないもんかしら、と妄想していたわけ。一回購入するとアップデート版やplain text版もゲットできるみたいな感じで。
もちろんカード決済などの手段を自分で用意すると初期費用5万円、月額5千円、手数料10数%とかかかるわけですが、自費出版に比べたら軽いもんですし。というか自費出版業界の「商売の相手は読者じゃなくて著者」って図式が気に入らないってのもあります。もちろんそれが悪いとは言わない。
これを自分でやる分には(コストに見合えば)全然アリなのですが、例えば著者を見つけて書いてもらうといった話しになると、たとえ印税率50%とかいってもモチベーションとしては弱いんです。だって「名前の通った出版社から書籍を出しました」という実績が得られないから。
今抱えている問題は、上記のそれとは違うモチベーションを見つなければいかんのか? 上記とは違ったモチベーションによってコスト払って書ける人は一体どれだけ存在するのだろうか? ってあたり。
と、そんな時に刺激になるかなーと受益者負担の原則を読んでいた。僕の印象は「なんで不自由なサービスを使い続けるんだろう? ってゆーかSlashdot or 2ch効果とか未だにピンときてない俺。ってゆーか前居た会社の某サーバは2台だけでヨユーだったよなぁ」とかだったのでアレですが、その後に読んだotsuneさんの受益者負担の話がなんか変だと思ったのはの話しにうなずきながら
「金銭が絡むことで透明度が下がったり、利害関係が発生して情報の流通が無くなるほうがWebが荒廃しそうだと思う。」などの辺りにギクッとしてみた。
って話し長いよ>俺 しかも結論も無しかよ!
さ、寝るか〜。