不意に「NECエレクトロニクス社が業界初のWireless USBデモンストレーションを行った」というニュースが引っかかりました。だって先日購入したトランジスタ技術誌2003年3月号でWirelessUSB™という名前の製品が紹介されていたから。
規格名と商標
ITmediaなどで取り上げられていたニュースはパソコンや家電製品の高速無線通信を容易に実現する「ワイヤレスUSB」技術に関するNECエレクトロニクス社の取り組みに関する記事で、同社がホスト(USB制御側 通常パソコン側)とデバイス(キーボードとかのUSB接続する機器)用のLSIを2005年までに製品化することにし、さらに展示会で業界初のワイヤレスUSBのデモンストレーションを行ったという内容です。これだけみるとふ〜ん。といった普通のニュースなのですがUSBを扱っている人たちは違和感を感じたのではないかと思います。何故かと言うとUSB関係のコントローラチップで有名なCYPRESS社がWirelessUSB™という無線USB用チップ製品を2002年11月の時点でサンプル出荷しているからです。当然WirelessUSB™という言葉は同CYPRESS社のトレードマーク。
前者の場合はWireless USB Promoter Groupという業界団体がWireless USBという規格を策定しようと活動中で、おそらくUSBデバイスの種類や通信形態を問わないUSB無線化全般の話だと思います(よくしりませんが)。 後者はキーボードやマウスなどのUSB入力機器(HID - Human Interface Device)を無線でホストと繋ぐためのチップ製品ファミリの名称(たぶん)。
みたところNECエレクトロニクス社のプレスリリース自体ではWireless USBのデモを「業界初で行った」とは書いていないので、この部分に関しては同社が説明会でマズッたのかプロモーション上の確信犯なのかはわかりません。
もっと深刻(?)なのは名前の方で、前者が最終的な規格名を「AirUSB」とか「電波系USB」とか「とびだせUSB」等のまったく別のものにしてくれればキレイに収まるとおもうのですが、そのへんどう進んでいるのか見てないのでサパーリ。もし「Wireless USB」という名前にこだわって規格をリリースされると、微妙に対象領域がかぶる別の物を指す言葉が流通することになります。もちろん僕はここ2〜3日USBの事を勉強しはじめた程度なので、業界的にこの辺の話は既にカタがついているのかもしれません。
まぁ名前がどうなろうと僕の知ったことではありませんが(マテっ)